マーケティングに向いてる人:採用で見ている「他者への感度」と言語化
結論
マーケティングに向いているのは、他者にどこまで意識を向けて生きてきたかという「感度」と、その感じたことを言葉にする力を、両方持っている人です。数字が得意かどうかは、そのあとで身につけられます。
- 面接で必ず見るのは、他者にどこまで意識を向け、気を遣って生きてきたか
- 感度が高いだけでは、本人が疲れて終わる。神経を尖らせた先で、それを抽象化・体系化して言葉にしてきた人を求めている
- センスは後天的なもの。今向いていないと感じても、人を見る量と、言葉にする習慣で変えられる
「自分はマーケティングに向いているのでしょうか」と聞かれることがあります。数字が苦手、発想力に自信がない、と心配している人が多いのですが、私が面接で見ているのは、そのどちらでもありません。
新卒で入ったGunosyでは、広告運用のチームを率い、採用やチームのマネジメントも担当しました。マーケティングのチームに人を迎えるとき、私が必ず見ているのは2つです。他者への感度と、それを言葉にする力です。
1つ目:他者にどこまで意識を向けて生きてきたか
最初に見ているのは、その人が他者にどこまで意識を向け、気を遣って生きてきたかです。
人の表情の小さな変化に気づく。場の空気が悪くなりそうなときに、先に動いてしまう。誰かの何気ない一言を、ずっと覚えている。こうした感度の高さは、マーケティングでいちばん大事な「人を見る力」の土台になります。
インサイトとはで、「朝起きたら布団を直すタイプですよね」と私の癖を言い当てたインターン生の話を書きました。彼女のように、誰も名前をつけていない人の集まりを見つけられる人は、例外なく人をよく見ています。
2つ目:感じたことを、言葉にしてきたか
ただ、感度が高いだけでは足りません。人に神経を尖らせて生きてきた人の中には、そのぶん疲れてしまい、そこで止まっている人も少なくないからです。
私が一緒に働きたいと思うのは、神経を尖らせた先で、それを言葉にしてきた人です。なぜあの人はああ反応したのか。自分はなぜ傷ついたのか。それを抽象化し、体系化して、自分の言葉で説明できる。どんな経緯であれ、一度は人に振り回されるほど敏感になり、それを乗り越えるために言葉にしてきた人です。
感じる力と、言葉にする力。マーケティングには両方が要る。
言葉にできると、感じたことがチームで使えるものになります。「なんとなく分かる」のままでは、広告の判断も、商品の判断も、他の人と共有できません。
面接で確かめるなら
この2つは、経歴書からは見えません。面接で確かめるなら、たとえば次のような問いが使えます。
| 確かめたいこと | 問いの例 |
|---|---|
| 他者への感度 | 最近、人の行動を見て「なぜだろう」と思ったことは何ですか |
| 言語化の力 | その人がなぜそうしたのか、あなたの考えを説明してください |
| 確かめる姿勢 | その考えは、どうすれば本当かどうか分かりますか |
答えの正しさは見ていません。人を見たときに「なぜ」が浮かぶか、それを自分の言葉で組み立てられるかを見ています。
感度と言語化、どちらが欠けても止まる
2つの力の組み合わせで考えると、それぞれが欠けたときに何が起きるかが見えてきます。
| 言葉にできる | 言葉にできない | |
|---|---|---|
| 感度が高い | 市場を見つけ、チームで使える形にできる | 気づくが共有できず、本人が疲れてしまう |
| 感度が低い | 筋は通っているが、人が見えていない | まず人を見る量を増やす必要がある |
左上の人は多くありません。ただ、右上の人は言葉にする習慣で、左下の人は人を見る量で、左上に近づけます。どちらからでも、向かうことはできます。
向いていないと感じている人へ
最後に伝えたいのは、センスは後天的なものだということです。人をどこまで見て、理解しようとしてきたか。その量で決まるので、時間をかければ誰でも獲得できると考えています。
数字の扱いも同じです。私はGunosyで広告を運用する中で、分析チームに頼らずに判断できるよう、SQLを独学で覚えました。仕事に必要になってから身につけたものです。
今向いていないと感じるなら、まず身近な人を観察して、「この人はなぜこうするのか」を言葉にしてみてください。それを繰り返すことが、いちばん確実な近道です。勉強の始め方は、マーケティングの勉強は何から始めるかで書く予定です。
よくある問い
マーケティングに向いてる人の特徴は何ですか?
人への関心が強く、他者に意識を向けて生きてきた人です。そのうえで、感じたことを言葉にして、他の人にも使える形にできる人が向いていると考えています。
数字や分析が苦手でも、マーケティングはできますか?
できます。数字の扱いは、仕事の中で身につけられます。私自身もSQLは仕事を始めてから独学で覚えました。人を見る感度と言語化のほうが、身につけるのに時間がかかります。
マーケティングに向いていない人はいますか?
センスは後天的なものだと考えているので、向いていない人が固定的にいるとは思っていません。ただ、人に関心が持てない状態のままだと、市場を見つけるのは難しいと思います。
