chapter 05 / BtoBと地方

BtoB広告の考え方:テレビCMや動画広告を、リードの数字につなげる

結論

BtoB広告は、今すぐ検討している企業から問い合わせをもらう広告と、まだ検討していない企業に知ってもらう広告に分けて組み立てます。後者は直接の成果が見えないので、リードと相関する指名検索などの数字で、チャネルと予算の配分を決めます。

  • BtoB広告は、検討中の企業を刈り取る広告(下位ファネル)と、まだ検討していない企業に知ってもらう広告(上位ファネル)で役割が違う
  • 上位ファネルは、テレビCM・YouTube・コネクテッドTVなどで配信し、リードと相関する指名検索で評価した
  • チャネルと配分を探り続け、指名検索を1件増やす費用を6〜70%下げた。広告で届かない企業には、地方新聞社と組んで届けた

6〜70%

指名検索を1件増やす費用の削減幅

十数社

地方新聞社との座組で獲得した中堅企業

BtoB広告(企業向けの広告)というと、検索広告や展示会を思い浮かべる人が多いと思います。どちらも欠かせない手段ですが、それだけでは、まだ自社を知らない企業に出会うことはできません。

私の考えでは、BtoB広告は役割の違う2種類の広告に分けて組み立てるものです。この記事では、タイミーで法人向けの広告を担当したときの経験をもとに、その組み立て方を書きます。BtoBマーケティング全体の考え方は、BtoBマーケティングとはで書いています。

BtoB広告には2つの役割がある

下位ファネルの広告上位ファネルの広告
相手今まさに検討している企業まだ検討していない企業
主な手段検索広告、比較サイト、資料請求の広告テレビCM、動画広告、交通広告など
成果の見え方問い合わせとして、すぐに見えるすぐには見えない
評価の数字問い合わせ1件あたりの費用指名検索など、リードと相関する数字

下位ファネルの広告は、成果が見えるので予算を説明しやすい。その一方で、検討している企業の数には限りがあります。事業を大きくするには、まだ検討していない企業に知ってもらう上位ファネルの広告が欠かせません。問題は、その成果が見えないことです。

上位ファネルを、指名検索で評価する

2024年、タイミーで法人向けの広告のディレクターを担当しました。狙ったのは、まだタイミーを検討していない、潜在的な企業です。

最初に、リードの数と、社名やサービス名で検索される数(指名検索)の相関を分析しました。指名検索が増えるとリードも増える、という関係を確かめたうえで、指名検索を広告のKPIにしました。

見えない成果を、測れる数字に置き換える。それが上位ファネル広告の出発点。

チャネルと配分を、指名検索で探り続ける

KPIが決まると、チャネルの比較ができるようになります。オフラインではテレビCM、オンラインではYouTube広告と、インターネットにつながったテレビ(コネクテッドTV、CTV)での配信を中心に運用しました。

どのチャネルに、どれだけの予算を配分すると、指名検索が最も効率よく増えるのか。それを探り続けた結果、指名検索を1件増やすためにかかる費用を6〜70%下げることができました。法人向けのリードは、月間数百件規模の獲得に貢献しています。

テレビCMや動画広告は、成果が見えにくいと言われがちです。けれど、測る数字が決まっていれば、ほかのデジタル広告と同じように、配分を数字で決められる投資になります。

広告では届かない企業もいる

一方で、広告をどれだけ工夫しても届きにくい企業もいます。地域に根ざした中堅規模の企業です。

そこで、地方新聞社と組むアライアンスを企画しました。新聞社から見込みの企業を紹介してもらい、その対価として新聞社に広告を出稿する座組です。中堅規模の企業を十数社、新たに獲得し、新聞社の販売店を起点にサービスを案内するモデルもつくりました。

BtoB広告を考えるときは、「どの媒体に出すか」だけでなく、「誰からの話なら聞いてもらえるか」まで考える必要があります。組む相手の見つけ方は、アライアンスとはで書いています。

BtoB広告で使われる主なチャネル

チャネル役割評価の数字の例
検索広告検討中の企業の刈り取り問い合わせ1件あたりの費用
SNS広告・ディスプレイ広告業種や役職を絞った認知と、資料請求資料請求の数と、その後の商談化
動画広告(YouTube・CTV)まだ検討していない企業への認知指名検索の増加
テレビCM広い認知と、信頼感の獲得指名検索の増加、問い合わせの増加
業界のメディア・新聞社などとの提携信頼できる相手からの紹介紹介からの商談・契約

どのチャネルを選ぶかより先に、そのチャネルを何の数字で評価するかを決めておくことが大事です。評価の数字が決まっていれば、チャネルを入れ替えても、比べて判断できます。

BtoB広告を組み立てる手順

  1. 2つの役割に分ける:検討中の企業を刈り取る広告と、まだ検討していない企業に知ってもらう広告
  2. 上位ファネルの評価の数字を決める:リードと相関する数字(指名検索など)を見つけ、相関を確かめる
  3. チャネルと配分を探る:その数字を最も効率よく増やすチャネルと予算の配分を、比べながら決める
  4. 広告で届かない相手を洗い出す:その相手が話を聞く相手と組めないかを考える

2を飛ばしてテレビCMや動画広告を始めると、効果を説明できないまま予算が止まることになります。測る数字を決めてから、大きな投資をするのが順番です。

よくある問い

BtoB広告とは何ですか?

企業に向けて、自社の商品やサービスを知ってもらい、問い合わせや商談につなげるための広告です。検索広告やSNS広告のほか、テレビCMや動画広告、展示会、業界誌なども含まれます。

BtoBでテレビCMを使う意味はありますか?

まだ課題を自覚していない企業に、一度に広く知ってもらえる点に意味があります。ただし直接の成果が見えにくいので、リードと相関する指名検索などの数字を先に決めてから使うことが前提です。

コネクテッドTV(CTV)とは何ですか?

インターネットにつながったテレビで見られる動画配信サービスなどに出す広告のことです。テレビの大きな画面で見てもらいながら、配信の対象や量をネット広告のように調整できます。

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