販路開拓とは:新聞社や店舗と組んで、届かなかった企業に届ける
結論
販路開拓とは、自社の商品やサービスを届ける新しい経路をつくることです。新しい経路を考えるときは、「どの媒体に出すか」より先に、「その相手は、誰から、どこで話を聞くのか」を考えると、自社だけでは届かなかった相手が見えてきます。
- 販路開拓は、新しい相手に届けること(市場の開拓)と、新しい経路をつくること(チャネルの開拓)の2つを含む
- オンラインに強い会社ほど、地域に根ざした対面の経路を持っていない。そこを持つ相手と組むのが近道
- 地方新聞社と組んで中堅企業を十数社獲得し、新聞社の販売店を起点にした案内のモデルもつくった。対面の営業や実店舗の出店でも、経路を広げた
十数社
地方新聞社との座組で獲得した中堅企業
販路開拓とは、自社の商品やサービスを届ける新しい経路をつくることです。新しい地域や業界に届けることも、新しい売り方をつくることも含みます。
この記事では、タイミーで法人の新規獲得を担当したときに、オンライン広告だけでは届かなかった企業に、どうやって経路をつくったのかを書きます。
オンラインに強い会社ほど、持っていない経路がある
IT企業は、オンラインのチャネルには強い会社が多いです。検索広告、SNS広告、動画広告。配信の対象も量も細かく調整でき、成果も数字で見えます。
一方で、地域に根ざした対面の経路は持っていないことがほとんどです。そして、その経路の中でこそ動く企業が、地域には一定数います。広告をいくら工夫しても、そうした企業には届きにくい。販路開拓が必要になるのは、ここです。
届かない相手には、その相手が話を聞く人と組んで届ける。
経路1:地方新聞社と組み、販売店を起点にする
最初に組んだのは、地方新聞社です。新聞社には、地元企業との長い関係、地域での信頼、そして販売店という拠点があります。
私は自分でつながりをつくり、双方の得が最大になる形を探して、提案を何度もつくり直しました。合意した座組は、新聞社から見込みの企業を紹介してもらい、その対価として新聞社に広告を出稿する、というものです。結果、中堅規模の企業を十数社、新たに獲得しました。
さらに、新聞社の販売店を起点に、サービスを案内するモデルもつくりました。販売店は、地域の家庭や事業者と日常的に顔を合わせている場所です。その接点を借りることで、広告では届かない相手に、知っている人からの案内として届けられます。詳しい組み方は、アライアンスとはで書いています。
経路2:対面の営業で、地域を面で押さえる
同じくタイミーでは、飲食店のように、個人事業主に近い規模の事業者の新規獲得も担当しました。ここでは、広告に加えて、電話などで接点をつくる営業(インサイドセールス)と、訪問して話す営業(フィールドセールス)を組み合わせ、地域ごとに集中して開拓する、ドミナント型の展開を行いました。
地域を面で押さえるドミナント型の狙いは、一つの地域で使う事業者を増やし、その地域の中で次の事業者に話を聞いてもらいやすくすることにあります。
経路3:実店舗という、もう一つのメディア
その延長で、タイミーの実店舗「タイミーショップ」の試験的な出店も手がけました。
実店舗は、販路であると同時に、人と会社が直接出会うメディアでもあると考えています。オンラインでは伝えきれないことを、その場で、人を通して伝えられる。オンラインに強い会社が、あえてオフラインに経路をつくる意味はそこにあります。
販路開拓を考える4つの手順
| 手順 | やること | 問い |
|---|---|---|
| 1 | 届いていない相手を書き出す | 今の経路で、誰に届いていないか |
| 2 | その相手の「話を聞く相手」を調べる | その人は、誰から、どこで情報を得ているか |
| 3 | その相手と組めるかを考える | 相手にとっての得は何か |
| 4 | 小さく始めて、型にする | 一つの地域・一社で成立したら、他にも広げられる形にする |
手順4の「型にする」が大事なのは、一つの地域や一社でうまくいった形を、ほかの地域や相手にも持っていけるからです。地方新聞社との座組も、一社で終わらせず、複数の新聞社に展開していきました。
販路開拓は、広告の延長ではなく、市場の定義の問題です。「誰に届けるか」と同時に、「誰を通して届けるか」まで定義すると、自社だけでは見えなかった経路が見えてきます。市場の切り方は、マーケティング戦略とはで書いています。
よくある問い
販路開拓とは何ですか?
自社の商品やサービスを届ける、新しい経路をつくることです。新しい地域や業界の相手に届けることと、新しい売り方・届け方をつくることの両方を含みます。
販路開拓と販路拡大の違いは何ですか?
一般に、販路開拓はまだ持っていない経路を新しくつくること、販路拡大はすでにある経路を広げることを指します。どちらも、まだ届いていない相手に届けるという目的は同じです。
販路開拓は、何から始めればいいですか?
今の経路では届いていない相手を、具体的に書き出すことからです。そのうえで、その相手が誰から、どこで話を聞くのかを調べると、組むべき相手や、つくるべき経路が見えてきます。
